意味

biasは「偏り」で、「行動の側に寄っている」という意味です。慎重に検討しすぎて機会を逃すより、取り返しのつく判断なら早く決め、動きながら修正するほうがよい、という考え方です。

前提にあるのは、判断には「やり直せるもの」と「やり直せないもの」がある、という区別です。やり直せる判断には時間をかけすぎない、というのが本来の意味で、何でも急いで決めることではありません。

社内でこう使われる

  • 評価の言葉として。 「He has a strong bias for action」は、決断が速く、物事を前に進める人という褒め言葉です。
  • 会議での促し。 「Let's not overthink this」「Let's just try it」と言われたら、追加の分析より試してみることを求められています。
  • 面接で。 「情報が不十分な中で決断した経験」を聞かれたら、このテーマの質問です。判断の根拠、リスクの見積もり、結果とその後の修正まで話すと説得力が出ます。

日系企業との違い

文字どおりには「まず動け」ですが、外資系の現場で求められているのは「決めるべき人が、決めるべきときに決める」ことです。日系企業では、根回しで関係者の合意を先に作り、稟議で正式に決める流れが一般的です。時間はかかりますが、決まったあとは全員が同じ方向に動くという利点があります。

外資系では、決定のあとに異論が出ることを前提に、早く動いて修正します。どちらにも理があります。日系企業出身の方は「全員の了解を得てから」と考えがちですが、外資系では、それが慎重さではなく遅さと受け取られることがある点を知っておくとよいでしょう。

例文

We don't have perfect data, but this is reversible. Let's launch in two cities and review the numbers in a month.

完全なデータはありませんが、やり直しのきく判断です。2都市で始めて、1か月後に数字を見直しましょう。

注意点

規制、契約、人事など、やり直しのきかない判断にまでbias for actionを当てはめるのは危険です。日本の労務や法務に関わる件では、本国から急かされても、必要な確認は譲らないほうが結果的に信頼されます。