意味

マトリクス組織では、縦と横の二つの軸で組織が組まれます。外資系企業の場合、典型的なのは「国(日本法人)」と「機能(グローバルのHR、Finance、Marketingなど)」の組み合わせです。製品別の事業部(business unit)が三つ目の軸として加わることもあります。

その結果、一人の社員に「日本の社長」と「アジア太平洋の機能責任者」という二人の上司がいる状態が生まれます。どちらが正式な上司(solid line)で、どちらが間接的な報告先(dotted line)かは会社によって異なります。

面接ではこう使われる

求人票に「matrix environment」「matrixed organization」と書かれていれば、複数の上司や関係者の間で調整する力が求められているという意味です。面接では次のような質問がよく出ます。

  • 「Tell me about a time you had to manage conflicting priorities from two bosses.」 二人の上司の指示が食い違ったときにどう動いたか。どちらかに従った話ではなく、両者を同じテーブルにつかせて合意を作った話が評価されます。
  • 「How do you influence without authority?」 指示命令の権限がない相手をどう動かしたか。

逆に候補者側からは、評価・予算・採用の最終決定権がどの軸にあるかを必ず聞いてください。

日系企業との違い

日系企業でも事業部と地域の兼務はありますが、評価や人事の決定は多くの場合日本の組織の中で完結します。マトリクス組織では、それがシンガポールや本国にあることも珍しくありません。

利点は、日本の外の上層部と日常的に接点を持てることです。一方で、決定までに関係者が増え、日本のスピード感や事情が伝わりにくいという不満も起きやすくなります。どちらの面も事実です。

例文

It's a matrix organization, so you'll report to the Japan GM day to day, but your budget sits with the APAC marketing lead.

マトリクス組織なので、日々の報告先は日本のGMですが、予算はAPACのマーケティング責任者が持っています。

注意点

「マトリクスに慣れている」と言うだけでは評価されません。誰と誰の間で、何を巡って意見が割れ、どう決着したかを具体的に話せるよう準備しておきましょう。