意味

日本では、会社が一方的に社員を解雇することは法律上ハードルが高いため、外資系企業では、会社から退職を提案し(退職勧奨)、条件を示して社員の合意を得る形で雇用を終了するのが一般的です。その条件をまとめたのがmutual separation agreement(退職合意書)です。

合意書には一般的に、退職日、割増退職金などの金銭条件、有給休暇の扱い、離職理由、守秘義務、互いに相手を誹謗しない約束、そして清算条項(合意した条件以外に互いに請求をしないという条項)が含まれます。

社内でこう使われる

  • 最初の面談は突然来ることが多い。 上司と人事が同席し、ポジションがなくなることと条件の概要が伝えられます。
  • 回答期限が設けられる。 期限内に合意すれば割増条件がつく、という形が多いです。
  • 条件は交渉できることがある。 退職日、金額、再就職支援、社内向けの説明の仕方などは、話し合いで変わる余地があります。

日本での扱い

退職勧奨そのものは違法ではありませんが、社員には合意を断る自由があります。何度も呼び出して長時間説得する、断っているのに執拗に迫るなど、社会通念を超える働きかけは違法と判断されることがあります。

雇用保険では、会社から退職を勧められて離職した場合は、原則として会社都合の退職(特定受給資格者)として扱われ、自己都合の退職より失業給付の面で有利になります。ただし、以前から設けられている早期退職制度に自分から応募した場合などは、扱いが異なります。

例文

We'd like to propose a mutual separation. Please take the agreement home and let us know your decision by the 20th.

合意による退職をご提案したいと考えています。合意書をお持ち帰りいただき、20日までにご回答ください。

注意点

署名すると、清算条項によって後から未払い残業代などを請求するのが難しくなることがあります。署名の前に、離職理由が「会社都合」と書かれるか、賞与や株式報酬の扱いはどうなるかを確認し、迷ったら弁護士など専門家に相談してください。