意味

Sign-on bonusは、入社を決めてもらうための一時金です。主な目的は二つあります。一つは、転職によって受け取れなくなる賞与や株式報酬を補うこと。もう一つは、baseを社内のレンジ以上に上げられないときに、初年度の差を埋めることです。

支払い時期は、初回の給与と一緒、試用期間の終了後、あるいは数回に分けてなど、会社によって違います。いずれにしても課税の対象で、入社後の給与と一緒に支払われる場合は給与として扱われるのが一般的です。

面接・オファーでこう使われる

  • 返還条項(clawback)を確認する。 「12か月以内に自己都合で退職した場合は全額返還」「24か月以内なら按分して返還」などの条件がつくのが一般的です。
  • 按分返還を求める。 全額返還より、在籍月数に応じて減っていく形のほうが合理的で、交渉で受け入れられやすい条件です。
  • 会社都合の場合を除外する。 解雇やポジションの廃止で辞める場合まで返還を求められないよう、文言を確認しましょう。

日本での扱い

日本では、労働基準法16条が、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることを禁じています。サインオンボーナスの返還条項がこれにあたるかが争われた裁判例があり、1年以内に退職したら全額を返す約定について、労働者を不当に足止めするものとして無効と判断された例があります(東京地裁、2003年)。

ただし、すべての返還条項が無効になるわけではありません。支給の性質や金額、返還の条件によって結論は変わります。「日本では返さなくてよい」と考えて入社するのは危険です。

例文

We'd add a sign-on bonus of 3 million yen, repayable pro rata if you leave within the first 12 months.

300万円のサインオンボーナスを支給します。入社後12か月以内に退職した場合は、在籍期間に応じて按分で返還いただきます。

注意点

一時金はその年限りです。翌年以降の年収には反映されず、昇給の土台にもなりません。baseの差を一時金で埋める提案を受けたら、2年目以降の総額で比べてから判断しましょう。